米国債を持つなら、どう持つか
米国債には、1本の債券を直接購入する「個別債」と、複数の米国債を投資対象とするETF(上場投資信託)があります。同じ米国債への投資でも、この2つには少し違った特徴があります。
個別債
個別債は、文字どおり1本の債券を直接保有する方法です。
米国債のうち、固定利付のものは、基本的に半年ごとに利息を受け取り、発行体が債務を履行すれば、満期には額面金額が返ってきます。
一方で、満期を迎える前に売却する場合には、その時点の市場価格で売却することになります。金利が上昇すると債券価格は下落するため、購入時よりも低い価格で売却する可能性があります。
そのため、例えば「○年後に使う予定のお金」を運用するのであれば、その時期に満期を迎える債券を選ぶことで、満期まで保有することを前提とした資金計画を立てやすくなります。
また、米国債は米ドル建てなので、円を基準に考える場合には為替変動の影響も受けます。
米国債の種類
米国債には、満期までの期間などによっていくつかの種類があります。
代表的なものとして、短期の「T-Bill」、中期の「Treasury Note」、長期の「Treasury Bond」があります。
Treasury Noteは2年、3年、5年、7年、10年など、Treasury Bondは20年、30年などの満期が一般的です。
固定利付のNoteやBondでは、基本的に半年ごとに利息が支払われます。
このように、同じ米国債でも満期までの期間によって特徴が変わるため、「米国債を持つか」だけでなく、「どのくらいの期間の米国債を持つか」という視点も重要になります。
ETF(上場投資信託)
一方、ETFでは、複数の米国債をまとめて保有することになります。
株式と同じように市場で売買できるため、個別債のように「この債券を満期まで持つ」という設計ではなく、保有する債券の残存期間などに応じて金利変動の影響を調整していくことができます。
ETFにも、保有する債券の残存期間に応じて、短期・中期・長期などさまざまなタイプがあります。
一般的には、短期の債券を中心とするETFほど金利変動による価格変動は小さく、長期の債券を中心とするETFほど金利変動による価格変動が大きくなります。
そのため、ETFを使う場合にも、「米国債ETFなら何でも同じ」というわけではなく、どの程度の期間の債券を中心に保有する商品なのかを見ることが重要です。
個別債は「満期」を基準に資金の使い道を設計しやすい一方、ETFは保有する債券の期間を通じて、金利変動に対する感応度を調整しやすいという違いがあります。
個別債とETF、どちらを使うか
ここまで見てきたように、個別債とETFには、それぞれ違った特徴があります。
個別債は、将来使う時期がある程度決まっている資金について、満期を合わせてキャッシュフローを設計しやすいという特徴があります。
一方、ETFは満期を持たないため、特定の時期に元本が戻ってくるわけではありません。その代わり、短期・中期・長期など、保有する債券の期間を通じて、金利変動の影響を調整することができます。
どちらが優れているという話ではなく、いつ使うお金なのか、価格変動をどの程度許容できるのか、満期まで保有することを前提にするのか、それとも市場で売買するのか、といった目的によって考え方が変わってきます。
将来使う時期がある程度決まっている資金には個別債も使いながら、資産全体の債券部分については、期間の異なる債券を組み合わせるといったことが考えられます。
いずれにせよ、短期から長期まで異なる期間の債券を組み合わせることで、金利変動の影響を一定程度分散しながら、資産から生まれるキャッシュフローを考えることができます。
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