教育費はいくら必要?小学校から大学までの教育資金シミュレーター【#36】

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#35で紹介したシミュレーターを再掲します。

教育資金シミュレーター

円

※このシミュレーターは、文部科学省および日本学生支援機構(JASSO)などが公表しているデータをもとに、一定の前提を置いて教育関連費を試算するものです。実際の教育費は、学校、地域、進路、塾・習い事、大学での住居形態などによって異なります。

教育資金シミュレーターの引用数字

前の記事では、教育資金について整理しつつ、シミュレーターを掲載しました。

ここでは、そのシミュレーターで使っている数字が、どのような公的統計をもとに設定されているのかを簡単に説明します。

あくまで、教育費の目安をつかむための試算です。

実際に必要となる金額は、学校や地域、進路、塾・習い事、大学での住居形態などによって変わります。

小学校・中学校・高校

小学校から高校までについては、文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」をもとにしています。

この調査の「学習費総額」には、学校教育にかかる費用だけでなく、学校給食費や塾・習い事などの学校外活動費も含まれています。

シミュレーターでは、1年間あたりの金額を次のように設定しています。

学校公立私立
小学校33.6万円182.8万円
中学校54.2万円156.0万円
高校59.8万円103.0万円

例えば、私立小学校の年間教育費を約183万円としているのは、授業料だけを意味するものではありません。

塾や習い事なども含めた「学習費総額」を使っているため、家庭が実際に負担する教育関連費に近い数字として利用しています。

ただし、これは調査対象となった家庭の平均的な金額です。

大学

大学については、小学校から高校までとは少し考え方を変えています。

大学の学費については、文部科学省が公表している大学の授業料・学生納付金に関するデータを利用しています。

一般的な学部は4年間、医学・歯学は6年間として計算します。

国立大学

国立大学については、文部科学省が定める標準額を使用しています。

  • 授業料:年額53万5,800円
  • 入学料:28万2,000円

したがって、4年間では、

53万5,800円 × 4年 + 28万2,000円 = 約242.3万円

となります。

なお、国立大学についても、大学によって標準額を上回る授業料等を設定している場合があります。

そのため、シミュレーターでは「国立大学の標準的な金額」として扱っています。文部科学省によれば、標準額を上回る授業料等を設定できる仕組みもあります。

私立大学

私立大学については、文部科学省の「令和7年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等調査」を使用しています。

初年度の学生納付金等の総計は、学部系統によって次のようになっています。

学部初年度の学生納付金等
文科系約130.1万円
理科系約171.7万円
医学約684.1万円
歯学約512.6万円

ここで注意したいのが、初年度には入学料が含まれていることです。

そのためシミュレーターでは、初年度については上記の総額を使用し、2年目以降については入学料を除いた金額を基本的な目安として設定しています。

具体的には、

  • 私立文科系:約130.1万円 → 2年目以降は約108.1万円
  • 私立理科系:約171.7万円 → 2年目以降は約147.1万円
  • 私立医学:約684.1万円 → 2年目以降は約541.8万円
  • 私立歯学:約512.6万円 → 2年目以降は約416.6万円

という考え方です。

医学については、初年度総額684万1,248円から入学料142万3,718円を除くと、2年目以降は年541万7,530円となります。

歯学については、初年度総額512万6,150円から入学料95万9,674円を除くと、2年目以降は年416万6,476円となります。いずれも文部科学省の令和7年度調査の数字から計算しています。

特に医学・歯学は6年間の課程であるため、4年制の学部と比べて教育費が必要となる期間も長くなります。

もちろん、実際の大学では大学や学部によって学生納付金が異なります。

ここでの数字は、あくまでシミュレーターで一定の前提を置くための平均値です。

大学で一人暮らしをする場合

大学進学後に自宅を離れて生活する場合、学費とは別に食費や住居費などの生活費が必要になります。

そこで、このシミュレーターでは、日本学生支援機構(JASSO)の「令和6年度学生生活調査」を参考にしています。

大学学部・昼間部の全国平均では、生活費は、

  • 自宅:約50.1万円/年
  • 下宿・アパート等:約125.7万円/年

となっています。正確には、自宅が年50万800円、下宿・アパート等が年125万6,700円です。

この差は、住居・光熱費だけではありません。

食費、保健衛生費、娯楽・し好費、その他の日常費などを含めた「生活費」全体の平均額です。

そこでシミュレーターでは、この生活費を大学の学費とは別に加えています。

また、医学・歯学については6年間の課程としているため、一人暮らしを選択した場合には、その6年間について生活費を加えて計算します。

なお、JASSOの「学生生活費」は標本調査に基づく推計値です。また、JASSOは調査結果を編集・加工して利用する場合、出典の明記と、編集・加工したものであることが分かる表示を求めています。

このシミュレーターで計算していること

以上のデータを組み合わせて、

  • 小学校:公立/私立
  • 中学校:公立/私立
  • 高校:公立/私立
  • 大学:国立文系/国立理系/私立文系/私立理系/私立医学/私立歯学
  • 大学:自宅通学/一人暮らし

という進路を選択できるようにしています。

大学は、国立・私立の一般的な学部を4年間、医学・歯学を6年間として計算します。

さらに、お子さんの現在の学年を入力することで、

大学卒業までにかかる教育関連費の総額

だけではなく、

これまでに支払ったと考えられる金額

と、

これから必要になる金額

を分けて表示します。

そして、現在すでに教育資金として確保している金額を入力すれば、

これから追加で準備する必要がある金額

も確認できるようにしています。

数字は「正解」ではなく「現在地」を知るためのもの

ここまで見てきた数字は、すべて平均値や標準額です。

実際の教育費は、

  • どの学校に進学するか
  • どの地域に住むか
  • 塾や習い事にどのくらいお金をかけるか
  • 大学の学部や大学によって学費がどの程度違うか
  • 大学で自宅から通うか、一人暮らしをするか

などによって大きく変わります。

また、現在の学費や生活費が、子どもが大学に進学する時点でも同じとは限りません。

したがって、このシミュレーターの結果は、必要資金の確定額ではありません。

現在公表されている公的データをもとに、

「自分の家庭では、教育費があとどのくらい残っているのか」

を考えるための試算値です。

教育費について漠然と、

「これからものすごくお金がかかる」

と考えるのではなく、

「あと何年、あといくら必要なのか」

を一度数字にしてみる。

その数字が分かれば、現在の収入や金融資産と照らし合わせながら、これからの働き方やお金の使い方についても、少し違った見方ができるかもしれません。

前の記事で書いた「教育資金を『見える負債』にする」という考え方も、こうした数字を具体的に把握するところから始まります。

参考にした公的資料

※本記事およびシミュレーターは、教育費について一定の前提を置いて試算するものであり、将来の必要資金を保証するものではありません。

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