住宅ローンを、資産運用からの収益で賄うという考え方
住宅ローンを借りていると、毎月決まった金額を返済していくことになります。
金利もかかりますし、早く返したい、と思うことは自然なここでしょう。
一方で、手元に運用資産がある場合、その資産からも利息や運用収益が生まれます。
この、借入と資産の二つを別々に考えるのではなく、
「住宅ローンの返済を、運用資産から生まれる収益でどこまで賄えるのか」
という見方をしてみると、少し違った景色が見えてきます。
もちろん、運用には値下がりの可能性があります。
住宅ローンの金利も変わるかもしれません。
そのため、「運用して住宅ローンを返せば得をする」という話ではありません。
あくまで、住宅ローンと運用資産を同じ家計の中で並べて考えてみる、という話です。
住宅ローンの返済額を、運用収益で賄う
例えば、3,000万円の住宅ローンがあるとします。
この住宅ローンについて、元金均等返済で35年間かけて返済するとします。
元金均等返済では、毎月返済する元金が一定です。
3,000万円を35年、つまり420か月で返済するので、単純化すると、
3,000万円 ÷ 420か月 ≒ 7.14万円
が毎月の元金返済額になります。
年間では、
約85.7万円
です。
つまり、住宅ローンの元金だけを考えても、毎年約85.7万円ずつ資産を返済に充てていくことになります。
ここに住宅ローンの利息が加わります。
仮に住宅ローンの金利が1%だとすると、返済開始時点では、3,000万円に対して年間30万円程度の利息が発生します。
もちろん、元金を返済して住宅ローン残高が減っていけば、利息も少しずつ減っていきます。
そのため、実際の返済負担は毎年同じではありません。
では、運用資産はいくら必要なのか
ここで、住宅ローンの元金返済に必要な資金を、運用資産から生み出すことを考えてみます。
35年間の元金均等返済なら、元金の返済ペースは、
1 ÷ 35年 ≒ 年2.86%
です。
つまり、住宅ローンの元金返済だけを見るなら、当初の住宅ローン元本と同額の資産を持っていて、それを年2.86%程度で運用できれば、理論上は毎年の元金返済額と同程度の収益を生み出せる計算になります。
ただし、実際には住宅ローンには利息があります。
そのため、単純化して考えると、
必要な運用利回りの目安 ≒ 元本返済率+住宅ローン金利
と考えることができます。
例えば、35年返済で元金返済率が約2.86%、住宅ローン金利が1%なら、
2.86%+1%=約3.86%
が一つの目安になります。
ただし、これはあくまで考え方を理解するための単純化した計算です。
実際には、住宅ローン残高が減るにつれて利息も減っていきますし、運用資産の運用益も毎年一定になるとは限りません。
また、税金や運用コストなどを考慮すれば、必要となる運用収益は変わります。
ここで大切なのは、「3.86%で運用すれば住宅ローンを返せる」という結論ではありません。
住宅ローンの返済には元金と利息があり、それに対して運用資産からどの程度の収益が必要なのかを考えることができる
ということです。
「住宅ローン」と「運用資産」を対にしてみる
例えば、
- 住宅ローン:3,000万円
- 運用資産:2,500万円
という状態だったとします。
住宅ローンだけを見ると、3,000万円の負債です。
一方で、同じ家計の中には2,500万円の運用資産があります。
この二つを別々に見るのではなく、
「この2,500万円を運用しながら、住宅ローンの返済に必要な資金もここから出していったら、最終的にいくら残るのか」
と考えてみます。
すると、単純に「2,500万円を何%で運用すれば10年後にいくらになる」という計算とは、少し違うものになります。
運用資産は運用によって増えます。
一方で、そこから住宅ローンの元金と利息を支払うため、資産は減ります。
つまり、
運用収益-住宅ローンの返済額
という関係を、毎月繰り返していくことになります。
これを住宅ローンが完済するまで続けたら、最後に運用資産がいくら残っているのか。
そこまで計算してみると、住宅ローンと運用資産の関係を、より具体的に見ることができます。
ここから先は、実際に数字を入れてみる
ここまでの話は、あくまで考え方です。
実際には、
- 住宅ローンをいつ借りたのか
- 現在いくら残っているのか
- 残りの返済期間は何年なのか
- 現在の住宅ローン金利はいくらなのか
- 対になる運用資産はいくらあるのか
- その運用資産について、どの程度の利回りを仮定するのか
によって、結果は変わります。
そこで、次の記事では、これらの数字を実際に入力できるシミュレーターを作りました。
住宅ローンが3,000万円残っていて、対になる運用資産が2,500万円ある。
そんなケースを実際に入れてみると、住宅ローンを返済しながら運用資産を動かした場合に、完済時点でどのくらいの資産が残るのかを見ることができます。
もちろん、これは将来の運用成果を予測するものではありません。
一定の条件を置いて、
「もし、この条件だったらどうなるのか」
を試してみるためのものです。
住宅ローンと運用資産。
この二つを一度、同じ時間軸の上に置いて考えてみます。
続きでは、実際に数字を入れてみます。
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